技 術 論

自己鍛錬

はじめに

新型コロナウイルス感染症対応として会津合気会の稽古は3月から休みになっています。この時期に会員さんには自己鍛錬をお勧めします。通常の稽古だけでは上達の限界があります。自己鍛錬はその壁を乗り越えるためのものです。

自己鍛錬と言うと筋トレと思われる方も多いと思いますがここでは良い癖を作る事に意識して行ってください。そのためには早く動かずゆっくり動き体に覚えさせる事が大事です。また、ゆっくりとした動きの繰り返しから身体の内部の意識も強くなり身体の使い方が見えてきます。稽古では動きは早く自己鍛錬ではゆっくりがコツです☆

体 術

1)水平思考から斜め思考の入身投げ

現在、準備運動の後に行っている一つの鍛錬法を入身投げに取り入れた場合を例として動画紹介します。腰の動きが水平の回転から斜め回転に移行するための鍛錬になります。表現として水平思考から斜め思考への移行がキレの良い入身投げにつながります。

2)後ろ入身と小手返しの捌き_その1

後ろ入り身は当会での説明用に表現したものです。後方に入り身しながらの動きでこの時はしっかり前足の方に重心を置きます。次の後ろ入り身に入る時は後ろの足が自由に動かせますので後ろ足が移動し重心を後ろ足に移しながら入り身します。後半はこの動きを使用して小手返しの捌きを行っています。ここでは初心者の場合は単に足さばきの稽古でも構いません。重心の動きが明確になるよう意識して行ってください。

2)後ろ入身と小手返しの捌き_その2

有段者以上はさらにステップアップを図ります。後ろ入身は180°の動きから270°ぐらいに深くなります。反復動作で鍛錬してください。

会津合気会では剣と杖の稽古も行っています。これは剣と杖の動きを体術に生かす事を目的としています。特定の流派の剣・杖を極めるためのものではありません。そのため演武会では会津の古武道祭および当会の演武会では行いますが公の演武会では体術を主流としています。

自己鍛錬の例

参段の審査に組太刀の変化・剣の理があります。私が参段の審査に臨んだ時にいかに動けなかったことを痛感したことがあります。その時考えた自己鍛錬法が「ゆっくり無理のない動き」でした。そこで今回、剣の切り返しを例に自己鍛錬の方法を紹介します。力を抜き目標に向かって無理がなく切り返しができるように稽古します。切り返すとき、剣は頭の上で効率よく無駄のないように行います。私は、剣の握りを鍛錬打ちにしています。この方が切り返しが早くなると感じて自分の型としました。このような稽古を行った結果が最後の振りになっています。慌てずじっくり練ってください。
☆剣の握りは指先に力を入れない事、指先に力を入れると手首が固まります。手首が固まらないよう少し工夫してください☆

基本杖_突きの部

基本杖の突きの部の動画です。型稽古では号令をかけますがここでは号令をかけずゆっくり、そして突いた時の重心は前重心になるよう意識して行ってください。

13の杖、22の杖、31の杖

ゆっくり溜めを作らず正しく動くよう行ってください。早い動きにつながります☆

技 術 論

はじめに

合気道の技は複数の要素から成り立っています。よく技に呼吸法が入っていないといけないと言われていますがこれも一つの要素であって全てではありません。気結びの合気道、触れ合気道、詰める合気道、剣・杖を基本とした合気道、生理反応を使用した合気道とさまざまありそれぞれ特徴のある合気道をなされる方を見かけます。
これは技の要素の組み合わせがその方の個性を作っていると思っています。

下の動画は入身投げ(応用)です。気結びで相手を受けるとともに触れたところから詰めによる相手の重心操作を行い腰を浮かせています。
その後、入り身と転換で相手を回していますがここでは呼吸法を使用しています。最後に投げるときは相手の腰を沈身の操作で詰め、その反動で起き上がらせています。

気結びの受けとともに触れたところからの詰めによる重心操作と言ったように技の要素が重なっています。

このように二つ以上の要素が重なると技が有効になってきます。

「重心操作」「沈身」「動く支点」「境界面」「詰め」「結び」「無力化」「呼吸法」「鏡現象」「浮き」「二点間の異なる力」「流れ」「受け止め」「手の内の技術」等いろいろありますがこれらをーワードとして少しずつですがまとめて行きたいと思います。

構えと自身の重心操作

半身の構えは腰をつくる

合気道の構えは半身が基本です。半身の構えは自然体(足裏がハの字)に対して足裏がTの字状態ですので非常に不自然な感じがします。そのため半身の構えがなかなか身に着きにくいのが現状だと思います。
しかし半身の構えは腰をつくるためにも重要な事です。弓道の構えは両足を開き身体の中心線を前に移動させた状態に持っていきます。この状態で合気道では足の親指が的側の方に向けると半身の状態になります。この状態が腰が入った状態です。普通に半身に構えた状態から腰の入った状態への腰の移動が剣を持った時の腰で斬る状態になります。

舟漕ぎ運動

合気道の基本運動として舟漕ぎ運動があります。一般的には腰の鍛練法としてとらえていますがここでは別の視点で見ます。
舟漕ぎ運動では半身で構えた状態で腰を前後に移動させる事が大事です。
この時、頭の高さを変えず上体は垂直を保ちます。
舟漕ぎ運動で腰の位置を「前」「中間」「後」の三つに分けたとき
この中間の位置も非常に大切な要素があります。中間の位置は頭の高さを変えないようにしているため両膝を曲げた状態になっています。

舟漕ぎ運動

この時の状態こそ半身の構えの下半身部分になります。すなわち半身の構えでは両膝が軽く曲がりゆるんでいる状態でなければなりません。
先に述べた弓道の構えから腰を入れた半身の状態だけの場合、かなり腰がきつい状態ですが膝をゆるめると腰の可動範囲が広がり楽に行えるようになります。
すなわち「正しい半身の構え」は膝をゆるめ腰をニュートラルの状態にしますので腰からの移動を可能にします。このため自身の重心操作による沈身による初動も可能になります。
舟漕ぎ運動については合気道の書籍にいろいろと書かれていますが私なりに良いと思っている練習の仕方の一部を照会します。
・第1ステップ
舟漕ぎ運動の図で手の操作を止めて半身の状態で上体の姿勢を保ち腰の平行移動のみを行います。筋トレを目的とせずリラックスして行います。
1日100回行うと10日で千回、100日で一万回、千をもって鍛、万をもって錬となすですがここでは身体の姿勢作りが目的ですのでゆっくり身体の内部の感覚を感じながら行うと良いとですね。
身体の中心線が感じられその中心線を保った腰の移動操作が最初のベースになります。
第2ステップから手の操作をつけます。この時もステップ1と同様にリラックスして手と腰の動きに合わせて手の操作を行います。
ステップ1と同様に数をこなすと見えて来るものがあります。
ここまで出来てから本当の舟漕ぎ運動の鍛錬を開始する事ができます。
急がば回れでしっかり基本を作って下さい。

他に腸腰筋を鍛えるための舟漕ぎ運動もあります。

舟漕ぎ運動も追求すると極意になりますね。

足裏の使い方 

長年稽古をして膝を痛めるケースがみられます。足裏は3点の接地面(図参照)がありこの3点を常に接地した状態での捌きは膝をねじる事になり膝にストレスを与えます。

半身の構えでここでは歩幅を狭くして説明しますが①では横アーチと踵の3点接地状態です。②は膝を緩めると自然と踵が上がり両足とも横アーチで立つようになります。これでも接地点が2点になりますので腰を捻った時の膝への負担はまだあります。③は腰を捻るときに前足は小指球、後ろ足は母指球のそれぞれ1点になりますので膝への負担が大幅に軽減されます。

足裏の母指球は地面からの力を腰に伝え身体を上げる方向に働きます。一方小指球は身体を沈める方向に働きます。

相手の攻撃を受けた時に通常は足裏3点で受けるとお互いに力のバランスが取れてしまいますが③の腰を捻った状態では2点の異なる力が発生しバランス状態が崩れることになます。相手と接したとき崩す触れ合気の一つの要素にもなります。

③の状態は逆三角の構えと言われています。足と腰の連結、腰の稼働領域の拡大に繋がり進化します。

膝を傷めた人は逆三角の無理のない足捌きをゆっくり動いて体に覚えさせて下さい。無理のない動きは結果最速の動きに繋がります☆

膝行 

座技は腰を作ると言われていますが膝を傷めない膝行でなければこれは叶えられません。最初に起坐(キザ)座り方からはいります。キザは両膝の2点と両足のつま先(母指球)2点と合わせて4点座りの状態になります。この時重心は4点の真ん中にありまだ動ける状態ではありません。重心を前に移動し腰が少し浮く状態のところにニュートラルポジションがあります。ニュートラルポジションでは腰が自由に動かせますので膝にやさしく腰を作る動作に繋がります。
・第1ステップ
膝を壊さないようにニュートラルポジションでの起坐の移動から始めます。起坐の移動で後ろ足の引き付けできるように稽古します。
・第2ステップ
ハムストリングを使用した膝行になることが大切です。このためには膝を90度以上に開き踵から着地し身体を引き付けるように稽古
します。大きく早く動く膝行になります。
・第3ステップ
膝を90度以下でもハムストリングを使用した膝行ができるように稽古します。小さく早く動く膝行になります。
・第4ステップ
ニュートラルポジションから膝を立てないで膝での移動を行います。このためにはニュートラルポジションから立ち上がる時には体の軸の移動発生します。
この軸の移動で膝での移動が可能になります。膝の移動での入り身、転換、回転動作の稽古を行います。

以上のステップは自主稽古で行うと良いです。また、通常稽古では最初の礼で始まり一旦ニュートラルポジションを取ったらこれを維持し最後に礼するまでは続けることが肝要です。初動は膝での小さく早く移動し2番目は第2ステップでの大きな移動と言った組み合わせをしたり1~4ステップの組み合わせで間合い調整も出来るよう稽古して下さい☆

沈身(しずみ)

合気道は剣からきた武道です。剣ではタメを作るとその場で切られてしまいます。

一旦エネルギーを溜めて一気に爆発させる動きは拍子で言うと2拍子の動きになります。
それに対して剣はタメの無い1拍子の動きですので合気道も1拍子の動きになるよう修練を積む必要があります。
ただ稽古の過程では技を覚えるため2拍子や多い時は4拍子の動きもしますがそのままではなく拍子の数を1拍子に近付けて行く必要があります。

そこでタメのない動きをするためには古武道で言う沈身の極意が必要になります。
沈身とは、瞬間的に膝の力を抜いて、重力で一気に体を下に沈み込ませて瞬時に体を移動させる体の使い方になります。

沈身を使用した体捌きは動きの初動が分からなくなり自然の重力に合わせた動きですので無理のない早い動きに繋がります。

沈身は膝から

東京で住んでいた時通勤電車で吊革に摑まって居眠りをして膝から力が抜けてビックリして吊革をつかみ難を逃れた事があります。本人もビックリしましたが周りの人もビックリ、視線が一斉にこちらに向かい気恥ずかしい思いをした事が有ります。
でもこの経験が後に沈身の動きに繋がりました。沈身は膝からと力の抜きの早さが重要になります。

入身一足

沈身を使用した入身は下図に示すように半身に構えた状態から前足を浮かすと同時に後ろの膝を緩め沈身の動作に入ることにより可能になります。
この動作は溜めのない一拍子の入身一足になり足で動く動作から腰で動く動作の始まりにもなる大切な基本動作です。

画像の説明

下の写真は「太刀取り入身投げ」の入身一足です。1~5は中心線を左右にぶらさず腰の移動で前に移動しています。沈む前の気結び状態で6から一気に沈み、入身一足で入っています。
写真は10コマに1コマを抜き出したもので入身一足の速さが分かると思います。

画像の説明

さらに5~7の部分を抜き出すと腰の部分が沈んで前方に進んでいる様子が分かります。
前足は沈みに対して浮きの状態になります。

画像の説明

転換

合気道で初めに習う事は半身の構え、そして捌きでは入身と転換です。
転換動作は単に足で動くと早く動けませんん。コツは入身と同様、腰から動く事です。
腰から動くとそのままでは沈んで転倒してしまいます。そこでそれを支えるため足が速く動くようになります。
下の動画は剣による転換動作です。

剣では転換と同時に振り下ろし、振り下ろした時にはしっかり腰が入っている事が大切です。
良く転換と剣の動作にずれがあり2拍子の動きになりがちですが腰からの転換は1拍子の動きを可能とします。

体術では沈身を強調すると相手の腰に作用し「呼吸法の崩し」に繋がります。

沈身による受け

正面打ちで咄嗟に受けきれないとき、後方に沈身で動き相手を受け止めて相手を崩す事が可能です。写真は正面打ち一教(応用)の例です。

受け一教

1~6は気結びの呼吸と沈身による受けを同時に行い7~12は触れたところから相手の重心を操作し相手の腰を浮かせています。
「気結び「沈身」「重心の操作」を経て1教に入ります。

合気のかかった状態に持ち込むための条件にこの沈身の動作が入っている事が必要になります。

座技呼吸法

支点変更

合気道では稽古の最後に座技呼吸法を行います。座技呼吸法は鍛錬法で正しく鍛錬された呼吸法は稽古とともに徐々に技に生かされてきます。

私が参段のとき体格の良い2級の方(武蔵村山のK氏)とこの座技呼吸法を行って抑え込まれた苦い経験があります。

参段になっても抑え込まれた事はショックで何とか克服したく、まずは筋力アップと腕を中心にトレーニングを始めました。
中でも暇な時に左手を手刀にして右手首を抑えた状態にして右手を上げる筋トレを行っていました。

この時期は丁度仕事で日立の中央研究所に新技術を習得に出張していましたので昼休みは必ず敷地内にある池を散歩しながら行っていましたので丁度出張期間の半年続けていました。

半年も行うと腕を上に上げたい思いが指先を上に、肩と肘が下がり抑えていた左手刀が
支点となる動きに変化していました。

座技呼吸法

この変化により体格の良い2級の方(K氏)を抑え込まれずに制することができるようになりました。
これが座技呼吸法の一つの要素、「抑えられたところを支点として動く」でした。
これがその後、技の中で「動く支点」「動く梃子」に進展して行くことになりました。

基本動作では一教運動、剣の素振りでは振り上げるとき、そして振り下ろして切る時の動作に「動く支点」の要素が含まれています。

やはり基本を大切に稽古する事が大切ですね。

動く支点

抑えられえたところを支点として認識できると次はその支点を動かす動作にステップアップします。
下図は「合気上げ」「合気下げ」の支点の移動を示した図です。
黄色いポイントが動く支点です。人の反応時間は0.2秒~0.3秒と言われています。その間に支点を随時移動させると相手は追随出来なくなります。

合気上げ

支点を動かすだけでは技は有効になりません。支点を動かすと同時に詰めによる相手の身体へ浸透する力が必要になります。そのためには肩甲骨の操作で指先を押しだすようにすると効果的です。

動く支点

支点と言えば力点、作用点が存在し梃子(てこ)を構成します。上図は支点と力点の間に作用点が存在する梃子で一教運動はその梃子の動く支点で構成されていることが分かります。
手刃を剣に置き換えると作用点は切る操作になります。一教運動では振り上げていますが振り下ろした場合も同様で剣の振り下ろしも動く支点で力点は腰になります。

画像の説明

右図は合気上げと一教運動を合わせた図です。
手を掴まれたとして上部の支点を親指側、下部の支点を小指側とすると親指側の動く支点(赤)はすり抜けるための支点、小指側の動く支点(黄色)は相手の小指を通して浸透する力として相手を詰める役割があることに気が付きます。
単一支点から二つの支点への更なるステップアップになります。
単一支点を一次局面とすると二つの支点は二次局面に相当します。
三次局面もありますが想像して見て下さい☆

小手の力

動く支点で方向を示しましたがその方向に押し出す力が必要になります。
座技呼吸法では相手に掴まれた小手の部分に押し出す力が必要になります。
押し出す力は伸筋を使うと言われていますが肩甲骨、腰からの力が小手を通せるまで意識して稽古する必要があります。

一教運動は「呼吸法」を鍛える最適な基本鍛練法です。「篭もった力」から「出る力(押し出す力)」への脱皮するための良き鍛練法ですので正しく理解し早く身につけて下さい。
極意の入り口です☆

境界面

よく正面打ち1教などで受けた手刀を相手の身体の方に力ずくで押し抑えている方を見かけます。
ぶつかり合いになりますのでお互いに気持の良いものではありせん。相手の中心に押せば押すほど相手は強固になり、逆に受けた手刀を相手の中心(腰)から遠ざかると弱くなります。
手を伸ばした状態で腰を中心に回すと力が及ぶ部分と及ばない境界線があります。
腰を中心とした境界線は3次元感覚では腰を中心とした球面、すなわち「境界面」に広がります。
この境界面をイメージして受けた手刀をその軌跡に導くと柔らかく相手を制する事が出来ます。

写真は正面打ち1教で境界面を通して制した例です。相手も腰を中心に頭部と足が動いています。

境界面1教

動画は6回繰り返しています。見方は取りの足、腰、両手そして受けの腰の順に注目しながら
ご覧になると分かりやすいと思います。
足、腰、両手は受けた後に境界面に向かうよう方向を変えています。

相手の手刀を受けた時に「ピシッ」という音が聞こえます。これは詰めにより相手の腰を操作し境界面に導きやすくしています。

境界面から抜けて1教に持って行く流れで右手と左手の操作が変わってきます。
写真の最後の手は左手は下側、右手は上側の向きになります。「2点間の異なる力」が流れの中で自然と発生するのは面白いですね。

詰め

詰めは浸透する力であり相手との結びの関係を生じさせるためのものです。
詰めすぎると力づくになり甘いと俗に言う「詰めが甘い」になります。
相手にわからない範囲で浸透させそれぞれ手首、肘、肩等に緩みがない状態を伝えて行きます。

詰めの図

詰めを浸透させるためにはまず歪を生じさせる必要があります。
片手取りを例にとると歪のポイントはつかんでいる相手の小指を手を内側に巻き込みように軽く取り、と同時に手首で相手の人差し指を詰めて行きます。
詰めは「人差し指の付け根」⇒「手首」⇒「肘」⇒「肩」⇒「肩甲骨」⇒「腰」⇒「膝」に抜けるように腰の操作を入れながら行います。
稽古は最初に 「人差し指の付け根」⇒「手首」⇒「肘」から始め一つづつ増やしステップアップして行くと良いですね。

合気道では鍛錬法に舟漕ぎ運動があります。手と腕の操作、腰が同時に前に移動する部分はまさに舟漕ぎ運動ですね。
舟漕ぎ運動は腰を作るとともに詰めの極意の始まりでもあります。手を出す所作が舟漕ぎの手であれば自然と詰めの合気道が始まっている事のなります。
身に着くまで「舟漕ぎ運動」の鍛錬が必要ですね。
肩甲骨までの詰めは腕の操作である程度うまく行きますが相手の腰を操作するためには詰まった
状態での自信の腰の操作が必要になります。

詰まった状態が進んでくると「結び」の状態になります。すると「相手は鏡」の状態になります。
すなわち自分が動かしたところが相手の同じ場所が動く状態になります。
ここでは自分が動かした腰の操作が相手の腰を操作することになります。

ここで掴まれた手首を支点とすると「手首を支点として腰が動く」これは呼吸法ですね。
下図で詰めが腰(赤線)まで行ったところで結びに状態で、そこから腰を操作する(緑線)部分が呼吸法になります。

詰め呼吸法

「詰め」は「結び」を生み結びは「呼吸法」を成り立たせるための最初の
入口になります。

詰め一教の例

次の写真は詰め一教の例です。相手の正面打ちを受け止めると同時に触れたところから腰に詰めを入れて重心を操作し相手の腰を浮かせています。
この写真からは沈身の動作が見えませんが実は小さく早く呼吸法として入っています。
詳細は呼吸法の技術論の時に説明したいと思います。

触れ1教
触れ1教の説明

投げ技

合気道の投げ技は怪我過ちが無いように解き放すことを前提としています。相手を投げようとすると力技になる傾向があります。投げ技の最初の心がけは「相手が受けを取れる体制に導く」ことが良いと思います。
例として一教返しの動画を載せてみました。

一教返しは一教からの変化技で一教が効かないと感じた時に詰め一教の要領で相手の重心を上げ力のぶつからない側面に釣り上げるよう境界面に導くことにより相手を受けの体制にもっていきます。
動画は見やすいよう5回繰り返しています。

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